衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

徳の教え(52)道徳経下篇・徳経(15)

 

歸元(きげん)第五十二と言う副題がついています。

 

周易、六十四卦に関する用語、地雷復

兌為沢、地火明夷等が暗に隠されています。

 

ここに隠された意味を穿つのも道徳経の醍醐味です。

 

道を全うする為には、欲は最小限に、なぜなら

エネルギーは有限。その元は丹田と言う父母から授かったものだからです。

 

あらゆるものには始まりがあり、これを万物のの母としている。

 

母が分かれば、その子がどう繋がるのかが分かり、

 

(母)根本、土台をしっかりとすれば未来まで安心できる。

 

道を修める為には、出入り口(五感)の無駄遣いを最小限にし、門を閉じれば一生病に苛まれる事はないが、

 

五感の出入り口を開きっぱなしにすれば、救いようのない状況となる。

 

僅かな兆しに注意し、気づける事を明と呼び、

 

柔軟さを守る事ができるのを強と呼ぶ。

 

光を使って、その明を取り戻せば、

 

身体に起こる災いを防ぐ事ができる。

 

このような事ができれば、永遠に道を全うできる。

 

【直訳】

天下に始め有り、以って天下の母と為す。既に其の母を知り、復た其の子を知り、既に其の子こを知りて、復た其の母を守れば、身を没っするまで殆うからず。其の兌(たい)を塞ぎ、其の門を閉ずれば、終身(しゅうしん)勤かれず。其の兌(あな)を開き、其の事を済(な)せば、終身救われず。小(しょう)を見るを明(めい)と曰(い)い、柔を守るを強(きょう)と曰(い)う。其の光を用いて、其の明に復帰せば、身の殃(わざわい)を遺(のこ)すこと無し。是(これ)を習常(しゅうじょう)と謂う。

 

【原文】
天下有始、以爲天下母。既知其母、復知其子、既知其子、復守其母、没身不殆。塞其兌、閇其門、終身不勤。開其兌、濟其事、終身不救。見小曰明、守柔曰強。用其光、復歸其明、無遺身殃。是謂習常。