徳の教え(79)道徳経下篇・徳経(42)
任契(にんけい)第七十九と言う副題がついています。
借用証(人と契約を交わす)を書かせる事もその人の考え方しだい。
大きな怨み等のマイナスエネルギーはいくら消化したり、我慢しても必ず残ります。そんな状態で善行をしても偽善になりかねません。
このような事から、熟慮できる人は万が一お金を貸すとしてもあげる気持ちで貸します。返ってこなくてもその人を責めません。
借用書を書かせて、取り立てるくらいなら最初から貸さない。
身体に当てはめると、23時を過ぎれば金を借りるように、次の日のエネルギーを使い始めます。
次の日がしっかり休めないなら季節によって入眠時間も早めに取る。
どんなに善行や必要な事でもやり過ぎれば次の日から心身に負債がある状態で活動する事になります。
負債を負う位なら初めからやらない。
自然の流れは時に厳しく、時に優しく作用しますが、それは全て生きている人の行動が反映されています。
【直訳】
大怨(たいえん)を和すれば必ず余怨(よえん)あり。いずくんぞもって善となすべけんや。ここをもって聖人は左契(さけい)を執りて人に責めず。有徳は契を司どり、無徳は徹を司る。天道は親(しん)なし、常に善人に与みす。
【原文】
和大怨必有餘怨。安可以爲善。是以聖人執左契而不責於人。有徳司契、無徳司徹。天道無親、常與善人。