衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

徳の教え(80)道徳経下篇・徳経(43)

獨立(どくりつ)第八十 と言う副題がついています。

 

少人数の小さなグループを作る事が大義を作る為には重要です。

 

小さな政府と言う観点がありますが、理論上は理想かもしれません。

 

但し、小さいほどその構成員の自我が暴発しやすく、他の大きなグループから攻められると弱いと言うリスクもありますので、熟考、深慮できる人達である事が前提条件となります。

 

そうでなければ、終わりの始まりになりますのでこの点はよくよく注意する必要があります。

 

以下鳳凰堂流解釈

 

小さなグループを少人数で作り、できるだけ自分達で賄う。

 

遠くへ移動したり、便利なものをすぐに使うことがなく、皆で考えて解決するように努める。

 

いざという時の事を考えて、守る為の道具は持つが、攻防に専任する人は作らない。

 

自分達の輪を大切にし、過大な欲を持たなければ、日常の食べもの、自分達で仕立てた衣服、自分達で建てた家、全てに満足し、日々感謝できる。

 

近くのグループの声は聞こえても、自分の生きている枠組みで一生満足できるものである。

 

【直訳】

小国寡民(かみん)、什伯(じゅうはく)の器(き)あるも用いざらしむ。民をして死を重んじて遠く徙(うつ)らざらしむ。舟轝(しゅうよ)ありといえども、これに乗るところなく、甲兵(こうへい)ありといえども、これを陳(つ)らぬるところなし。人をしてまた縄を結びてこれを用い、その食を甘しとし、その服を美とし、その居に安んじ、その俗を楽しましむ。隣国相望み、雞犬(けいけん)の声相聞こゆるも、民は老死に至るまで相往来せず。

 

【原文】
小國寡民、使有什伯之器而不用。使民重死而不遠徙。雖有舟轝、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。使民復結繩而用之、甘其食、美其服、安其居、樂其俗。鄰國相望、雞犬之聲相聞、民至老死不相往來。