衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

節度と養生⑥

まとめ

 

1日のサイクルが理想的であれば、一生の生き方も理想に近づきます。

 

現実には中々うまく養生を意識するのは難しいものですが、思い出した時には実行し時間をかけて習慣化します。

 

朝は前日から引きずっている事がないか?

引きずっている事があればスッキリさせる方法がないかを軽く意識します。

 

特に覚醒時の状態、朝ごはんの味、便通がポイントです。

 

昼は、中継地点。覚醒から午前までの息継ぎでもありますので、あまり考えずにただ身体と心を少しでも休ませる為に昼寝が導入できるように意識します。

 

晩から入眠までは、1日の総括。反省はしても後悔しないように、身体と心に感謝して、しっかりとした休息と回復ができるようにする為に、身体の各部と向き合います。

 

  少しでも実現できたら、自分を褒めてあげましょう。

 

  褒めすぎて仕事や勉強でやりすぎたと思ったら、次からはそのやり過ぎを違う方向で使えるように意識しておきましょう。

 

  過去を自省の材料として捉えてみます。未来をより良く生きる為には、自分の今の立ち位置と方向を見誤らない事です。

 

  そして見誤ったとしても方向を変えて、向き直せば良いと思うこと。

 

  一人一人違う1日、違う人生に全く同じ正解などありません。

 

  今を楽しく、悔いなく生きる為に、自分に驕りすぎず、自分の心だけでなく、身体を尊重し、労ってあげることで、1日の終わりには「ようやった」、一生の終わりには「よう生きたわ!楽しかった!」と思えるように、私自身は養生し、生きています。

 

節度と養生⑤-2

⑤-2  睡眠の為の養生

 

睡眠は休息と回復を同時に行います。円滑に行う為には何事にも準備が必要で睡眠も例外ではありません。

 

その為、入眠まではとても大切です。

 

現代ではPCを夜遅くまで使ったりしますが、これは光をずっと見続けているようなもので、目の消耗が著しいと同時に気を昂らせる為、夜にPCを常用すると入眠の妨げになります。

 

晩の養生が中々難しい分、入眠時にしっかりと養生します。

 

1つは、洗顔時と同じように顔を触ってあげること。意識できていない部分は入眠準備もできていません。下から上へ、上から外と優しく触っていきます。余りに昂ぶっている部分があれば少しそこで手を止めたり、手が触れるか触れないかの程度でしばらく観察します。

 

この際に、できればその部分に声をかけてあげましょう。今日もお疲れ様でも良いし、いつもありがとうでも構いません。声に出さず頭で考えるだけで結構です。

 

次は同じように体幹に対して触っていきます。慣れれば1分もかからず、触らずにできるようになります。

 

最後はお腹で行います。顔や全身で行う余裕がなければ、お腹だけでも良いので優先順位としては1番に行います。

 

お腹は右回りに触りながら、左、下、右とそれぞれ具体的に臓器をイメージしながら腹式呼吸を行なって顔の時のような声かけを行います。

 

私の場合は、布団に入るとこれを実施する間もなく寝てしまいます。その場合は、お腹がちゃんと準備してくれたのだと、考えています。

 

背中と足が冷えないようにすれば入眠準備は完了です。

節度と養生⑤-1

⑤-1  睡眠

 

節度と養生の最後は睡眠について。

 

東洋医学の古典では、冬で始まる事が多く、冬は人体では腎をあらわしています。

 

この腎は腎臓そのものだけではなく、機能とメインに波及する効果までをあらわしています。そして先天的な両親からいただいた元気があるところとも言われます。

 

東洋的な身体観から言うと、この先天的に両親からいただいた気が覚醒と睡眠、活動と回復(リサイクル)を繰り返しています。

 

その回転の速度と大きさは、生まれ出て、成長し、青年期・壮年期までに加速し、膨張します。

 

壮年期を経た後からは徐々に収縮し、減速し、極限まで小さくなると雲散霧消します。

 

1日のサイクルから1年のサイクル、一生のサイクルでの共通項を探すと、類似している事が分かります。このような考え方を理論、イメージ、数と一致させる事も易となります。

 

  1日の終わりは睡眠で外界との意識的な交流を閉じ、一生の終わりは永眠とも呼ばれて他の人との交流ができにくくなります。

 

この睡眠の間は無駄な活動を極力減らし、次の活動が円滑に行われるようにする為の回復期間であり、準備期間であるのでしっかりと時間をかけて休息、回復できる事が望ましいのです。

 

 

節度と養生④

④晩の養生

 

  覚醒から、朝、昼まではまだ現代でも実践しやすく理解しやすい内容ですが、これ以降は実践が難しいだけでなく社会が変化しないと受け入れにくいかも知れません。

 

 1日を昼夜(陰陽)に区切ると、行動・活動・発散が主体となるのが昼、休息・停止・回復が主体となるのが夜になります。

 

  つまり、晩は夜の準備としての時間であり、1日の総括でもあります。

 

飲食では控えめに胃に軽く熱を持たせる事で入眠を助ける為と活動して溜まった熱をゆっくりと放散する為に軽めのものが望ましく、リラックスしてゆっくりと過ごす時間に当てます。

 

  高速道路の降り口が、カーブを描く事で今までの速度からスピードを落とす作業無意識に行わせるのと同じように。

 

  以前お風呂についても書きましたが、入浴時に冷えている部分を意識して全体が調和するようにします。

 

  夏場では、冷たいシャワーを浴びる事が多くなるかもしれませんが、最後は少し温かくして全身にかけてあげると、外に出ても汗が出にくくなります。

 

  問題は時間ですが、本来は夕暮れ時から、夜9時くらいまでになります。

 

   季節による日照時間の変化に合わせる為、夏場は少し遅めになりますが、これは中々私自身が実践できないところです。

 

 

節度と養生③-2

③-2  昼食

 

人の気は無限ではなく、常に膨張・収縮しながら、生まれてから死ぬまでの間にも徐々に大きくなり、途中から小さくなり始め、最後は散ります。

 

 膨張・収縮によって発散するのが活動として現れ、同じようにして蓄積するのが回復期・睡眠として現れます。

 

動く為には溜めが必要ですが、この効率化を最大限に意図したものが養生です。

 

つまり、溜め(休憩・回復)があるからこそ、大きくジャンプ(活動)できると考えれば納得しやすいのではないでしょうか?

 

昼の養生の二つ目、昼食は午前中の活動によって上げた気を降ろす為と昼以後の活動を担保する為のものであり、最大限に摂取は許されますが、余りに多いと逆に活動を阻害します。

 

ガソリン満タンの車は重量が増えて加速の反応が遅れ、減っている方が燃焼効率とスピードのバランスが取れているのと同じです。

 

自分の基本的な食事の量と質を認識しておくと良いですね。

 

特に東洋思想としては、少食、菜食がメイン(エネルギー効率上であり、完全禁忌ではありません)で、昼食は取らなくても良いとも言われています。

 

つまり、朝食をしっかりと取っている人は休憩・回復(食べない、少し食べる事で昼寝をしやすくする)がメインとなります。

 

  習慣的に摂取している人が急に変えると体調や心にも変化が出る為、今の食生活に起因する不都合がない限り、あまり気にする必要はありません。

 

消化器が強い方が昼間の活動力は高く、晩も持続します。言い換えると青年期・壮年期に消化器と活動が高いレベルで、老年期にしっかりと養生できていると、寿命まで活動力が維持できる可能性が高くなります。

 

但し、老年期の場合、活動力が高いほど怪我をしやすい為、そのような人は骨折や怪我に注意する必要があります。裏を返せば消化器が弱い、活動力が低い人は活動する必要があります。

節度と養生③-1

③ -1  昼寝

 

結論から書くと、昼の養生の一つは昼寝の勧めです。

 

  覚醒(目覚め)、朝の項目が終わり、次はお昼ですが、一旦ちょっと俯瞰してみます。

 

  1日を覚醒、朝、昼、晩、睡眠に区切りましたが、単純に覚醒、活動、睡眠に区切って過去、現在、未来と言う見方で見ます。

 

  活動の現在を更に区切っているので朝は直近の過去、昼は呼吸の息づかいを感じる程の今、晩は直近の未来と考えます。

 

  つまり、昼は過去も未来もない、ただ今日その日を無心に頑張る時間、節度や養生の反省は後でしましょうw

 

  その代わり、朝と昼の境目である昼食が終わったら昼寝が必要です。

 

  昔は普通に昼寝の時間がありました。私の家庭だけかと思い、時折色々な人に聞いてみると、同年代以上では同じ習慣を持つ人も結構いました。

 

  ラテン系の国ではシエスタと言う習慣がありますね。

 

  現在では都市部のシエスタは減少しているそうですが、この現象が何を物語っているのかはそれぞれで考えてみてください。

 

  ちなみに、数年前から兵庫県加古川の中学校ではシエスタを学習効率向上の為に導入しているそうです。

 

  シエスタの時間はわずか20分。

 

  この効率化を図る20分よりもプライオリティの高いものがあるのか?

 

  少し長くなったので、今日はここまで。

 

 

 

 

 

節度と養生②-3

②-3  朝食と便

 

  朝早く起きて、仕事や学校へ行く前に活動している人はしっかりと朝食を取るのが理想的です。

 

  しかしながら、これにも個人差があります。

消化器の強くない人や朝食を取る食習慣がない人が急に身体に良いからと短期間実践すると気づかない間に体調を崩します。食習慣を変える場合は、少しずつ時間をかけてやりましょう。

 

朝食を摂ると、便意を催すのが通常の身体の反応です。なぜなら、目が醒める事によって、既に様々な部分を動かした上に、燃料を投下して気の燃焼効率を上げているのですから、燃焼後エネルギー(気・活動力)となった部分と残った部分があるはずだからです。

 

車で例えて言うと、目が醒めるのはイグニッションキーでスイッチを回し電気系統がついた状態。

 

エンジンをかける前に、アクセルを何度か踏む事で昔の車はガソリンをしっかり送ると言う儀式がありましたが、それが所謂飲食に当たります。

 

イグニッションキーを回すと点火して、エンジンが動き、排気ガスが出されます。

 

この段階を人の身体は流れるように繋がって起こります。

 

つまり、飲食を行えば、前回の飲食で出し切れなかった便や腸粘膜の代謝後の産物を排泄しようという働きが連動します。

 

点火時に体内に湿気が多いと、中々火が点かずエンジンが動かないので、車ではキュルキュルと音を立てますが、身体の場合は動けるけど頭がボーっとしています。

 

便意が起こらない場合は、前日の思考が残っていたり、臓腑の働きが低下していたり、排便時間と回数が習慣化しています。

 

この排便の回数は1日1回〜3回位までが普通ですが、バナナ状のしっかりしたものが出るのであれば3回以上あっても問題ありません。

 

排便タイミングの習慣を変える方法としては、

朝食前後の目的とする時間に、トイレに籠ってゆっくりと腹式呼吸を行い、気張らずに出てくるのを待つ事ですね。

 

  安心できる空間と内臓の動きだけでの排泄を一定期間行う事で、他のマイナス要因がなければ同一時間に便意を起こせます。

 

そして、量、色、質などをしっかり観察して硬過ぎれば、何かを我慢していなかったか?頭ばかり使いすぎて頑張りすぎていないか?などを考え、下し気味であれば冷やしていないか?精神的に疲れていないか?などに気を配ります。