節度と養生②-2
起床時の際の目覚めの速度は、本人がもともと持っていたり長年培ってきた気の速度、前日までの使い方による疲労などの他にも、季節や天候の変化による太陽の出方、寒温差などでも変わります。つまり、目覚めの速度に良い悪いと言う評価は適切ではなく、速度変化の理由を明確化しておく事が大切です。
目が醒めると、通常は洗顔、朝食、出勤或いは登校、朝の用事をする事になります。
洗顔の際にできるのは、
①顔をしっかり見て、気血の巡りが良い場所と悪い場所を確認する。
②洗顔法は、下から上、中央から外へ行います。
気の巡りが悪いと艶がなく、血の巡りが悪いと色の変化としてあらわれます。
そして感覚器官別に大まかなチェックもしておきます。
洗顔では、気の流れる順番を書いていますが、どこかで手が引っかかるような場合や皮膚が緩すぎるような場合はその場所と関係する五臓に関係する事柄に変化がなかったか少し気にしておきます。
習慣を癖にする為には、ある一定時間は集中して意識をする事が大切です。一定時間集中して意識する為には、面白いとか楽しいと言った感情が伴うと、集中力と持続力が同時に発揮できやすくなります。
今は健康上何も問題なくとも、面白そうと思ったら養生法をしばらく実践してみてください♩
節度と養生②-1
では、ちょっと自分を振り返るきっかけを掴んでみましょう。
先ずは、1日は起きるという行動から始まります。
睡眠状態から覚醒する為には、蓄積した気を一気に動かす必要がある為、パッと目が醒めるのか、僅かに覚醒したけれども目は閉じたままなのか等、人によって、状況によって違います。
この違いに着目する事が大切です。
本来、充分な気の蓄積をしてから覚醒しますが、前の日に寝るのが遅かったのに早く起きる必要がある、或いは親等に起こされると目は閉じたまま行動しますよね?
親に起こされた幼少期を思い出してみてください。親に起こされた事なくサッと起きる事が出来ていた人は気の巡りが速いか、睡眠で充分に気を養う事ができています。
起きてはいるけど、目は開いてない。
起きるきっかけは外からの音?お味噌汁などを作る匂い?単に毎日同じくらいの睡眠時間で、その時間を超えたから?
などなど、起きると言う行為だけでも、毎日のルーチンと違う状況が発生していないかを考え、その感覚を大切にします。
前日或いは1週間前位までに気の巡りの変化があれば、感覚器官が目覚めるスピードやタイミングも変化し、そこに気づいてあげると、その日の行動に節度を意識する事ができます。
意識する練習をして習慣化するとこれらの項目はすぐにできるようになります。
邪気と陰陽、治療と社会的関係
先日、ある話を聞いて陰陽だな〜と感じた話。
誰かが誰かの欠点?(間違い?)を陰で揶揄する。
言われた当事者が、その口撃を耳にすれば嫌な気がするのは至極当然の反応です。
ここで相手の立場に立って分析してみると、
相手は権威があるか、立場が上だと言う認識で、
1、間違っていることを正している。
2、本人は気づいていないが、相手の何か光るものに嫉妬している。
1、であれば堂々と面前で指摘するのが筋(陽)ですし、それに対しての反応であれば陰陽の変化によるお互いの利点があります。
そして、指摘には平らな気持ちで導けるようにすると、上と言う位置の本来の働きが輝きます。
2、であれば自分の嫉妬(陰)を増大化させるだけで、自分で自分を気づけ、転化すれば身体にも影響が出てきます。
これに対して受けた側が、短時間には凹む(陰)、憤る(陽)などの反応が出るのは自然の変化であり、易の陰陽に則っています。
対処は通り。
1、勝手に陰陽を乱している人の気を受けて、同調しないこと(無視)。
2、意見の相違や位の違いを受け止めて、真摯に教え?を乞うこと。(陰を陰で受け止め、包み込む)
3、憤りや行動の欠点を指摘して潰すこと。(小さく濁った陰を公然と潰す)
などが考えられますが、勝手に妬んでいると考えるのであれば、動かずとも、陰中で陽を振り回しているので、遅かれ早かれ自爆します。
そのような邪気に同期するよりも、自分とは太極の違う人として、無理に陰陽嚙みあわせる必要はないのです。
しかし、一応その邪気がこちらの心身にどのような影響を及ぼすかを見越してある程度対策を練っておく必要があります。
1、周囲に拡散する
2、どのような内容かを熟考して害があるようなら早めに排除できる準備をしておく。
あとは笑顔でいれば(陽)、陰に対しては後の先で十分に勝ち口があります。
お風呂
お風呂って、身体を洗って1日の汚れを流し綺麗にする行為と考えている人がほとんどだと思います。
僕は東洋医学の世界に入ってから、ちょっと違う観点で感じています。
自分の身体の外面にある陰陽の不調和を整える事で、生物が初めて持つであろうと言われる神魂(心腎)を清めているのだと。
普通の人が読むと怪しい話に聞こえるかもしれませんので、砕いて書くと、
外面の汚れを流すのは当然のこと、温かい水流に包まれる事で、心は気持ちよく、身体は血流の全体的な偏りを整えているのだな、と感じています。
つまり、この時に冷えているところが温まるようにしておくと、自分の身体の力で調和させる力は活性化します。
滝行などは、これの逆ですね。
様々な意図が含まれていますが、冬の寒い時期には熱(気)を内に溜め込んでいるので、発散と収斂を一時的に与える事で、生命力を活性化するという側面もあります。
但し、これにはリスクも伴う為要注意で、言い換えると入浴もどのような意図を持つかで変わってきます。
運と性質の重なる時
自分が持って生まれた形質は、そのままその人が持つ性質に静かながらも大きく影響しています。
その形質を超えて性質を最大限発揮させる事ができるのは平均すると、35歳くらいまで。それまでとてもうまく使いながら、形質にも恵まれた人では、還暦まで最大限発揮できている人もいましたが、それは極めてまれです。
その間も性質が暴走すれば、病となったり怪我や人間関係の悪化などによって警告してくれています。
僕の場合は、若い頃は兎に角、左手の小指裂傷(4針)、左中指の切断(なんとか縫合でき、癒合しましたw)、右鎖骨骨折、肋軟骨骨折、喘息、アトピー様症状、顔面のただれで頂点を極めたにも関わらず、無視して、右脛骨の螺旋骨折(18針とプレート)にまで至り、それでも俺は俺!と生きてきた結果、人生でも様々なハードルを越える必要が出て、やっと気付きました。
全て必然だったと。
気づいてからやっと身体も心も分かるようになってきましたが、完全にコントロールなんてまだまだできてません。
まぁ、死ぬ間際に「生き切った!」と思えればいいと考えています♩
自分の身体を知る
感情は毎日著しく変化しています。
呼吸は、感情や運動に左右されますが、できるだけ一定のリズムを保ちながら落ち着いて、外界のエネルギーを安定して摂取しようとしています。
飲食は気の偏りによって摂取しやすいものとしにくいものがあり、感情と運動の加減によって変化する場合と習慣化する場合があります。
つまり、感情の偏りによって欲しいものが変わったり、偏り続ける事で摂取する飲食も偏り、習慣化します。
運動は飲食の質や感情によってできる範囲が変わりますが、一番コントロールしやすく、できるだけ赤ちゃんのような柔軟性を維持する事で、他の機能も発達、維持しやすくなります。
この4点を基本に、僕は自分の身体をチェックしてます。
毎日、目が覚めてから行動できるまでの時間、便通の有無、スッキリと出たか、ゆるいのか硬いのか。
食事を美味しく取れているのか。
マイナス感情を次の日に持ち越していないか。
背骨で動きが悪い部分がないか。
たったの4項目。初めは漠然と意識するだけでも、何となくその日何が足りないのか、やりすぎているのかが把握でき、習慣化できると如何に自分の身体に意識を持たずに生活していたか分かります。
更に細かくチェックすれば良いですが、あくまでも自分のペースでゆっくりと向き合ってあげる事が大切です。
見えるものは見えないものが集約した短期的な結果でしかありません。
見えなくとも毎日動かしている感情、飲食(消化器)、運動、呼吸に少しだけ目を向けてあげるだけでも身体は喜び、今以上の力を発揮しながら維持してくれます。そして、負担がかかり過ぎた時に、それは全て自分が積み重ねた結果である事が分かります。
先ずは自分の身体を知る事で、自分の心、周囲で起こる事象の変化を感じるきっかけとなります。
誰でも日常生活、仕事が大切なのは言うまでもありません。だからこそ、心と身体を安定させてできるだけ長い間充分に使えるようにしておく事が大切で、簡単なチェックとメインテナンスをする必要があると思います。