衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(6)

易の考え方は扱える範囲は限りなく広く大きい。

 

上下と前後左右と言う空間・時間の範囲設定だけなので大きさを変えるだけで無限に言及することができ、天地自然の法則を応用するだけなので正確性もあります。

 

乾坤の乾は全ての始め、始まりをあらわすので動きがなければ静止したように見えますが、動けば一つの方向に真っ直ぐ動きます。

 

坤は動きがなければ閉じ、動きがあれば開くので乾によって動き始めたものが、形として生じる事全般を示しています。

 

例えば、誰かが言った一言で、その目標に向かって計画が始まると言うのも乾坤です。

 

実際にものや関係性ができる前の始まりと準備と言ったところです。

 

この乾坤と言う言葉は、縦横の空間の膨張・収縮の範囲を、天地を一つの縮図として表現しているものです。その乾坤の中の動きは四季で例えて時間と空間の法則性を示しています。

 

陰陽の意味は太陽と月が代表して表現してくれています。

 

簡易の良いところは、この法則性を分かりやすく示す事で、単に人が集まりやすくする為に簡単な説明と技を見せるものではありません。

言葉を繋ぐ(5)

一つの事柄をプラス面、マイナス面と言う二つの方向性に区切って考える際、その一つの事柄は太極と言う道になります。

 

この道が続くような方向が良くバランスが取れた状態で、それは人それぞれの性質が精一杯活かされたものです。

 

他人に対する思いやり(仁愛)深い人は、この道の事を仁の道と呼ぶでしょうし、知恵の働く人は知の道と呼ぶでしょう。人・もの・事にそれぞれの道があるのです。

 

この道の歩き方が分からない人を無知と呼びますが、決して知識のない人ではありません。知恵の使い方が分かっていない人の事を指しています。どんなに権威があり、知識があっても無知な人はたくさんいます。

 

人それぞれの道は初めからハッキリと分かっている事なのですが、当人が理解しようとせず、無意識下に隠しているだけなのです。

 

ただただ自分の仁愛の性質を明らかにし、様々な事柄にそれを使って対処していくだけで、あらゆる事柄がそれに応じるので、他の徳の高い人と同じである必要はないのです。

 

それぞれの性質を最大限に活かす事が徳となり、大きな業となるのです。

 

何かをたくさん持つ事ができるのは大業ですが、日々新しい様々な事・もの・人に出会えるのも徳の現れです。

 

様々なものが生まれ、変化する事を易と呼び、

イメージにする事を乾と呼び、法則性に則って効果を出す事を坤と呼びます。

 

つまり、見えないものを観る為の法則性を使って(理)、イメージを捉え(象)、効果を出し、これらを(数)で纏めることで占(判断)すれば、あらゆる変化に対応できます。

 

陰陽が測り知れない(プラス面、マイナス面の判別が難しい)ものの事を神と言いますが、この神の方向性を判断するものでもあるのです。

 

 

言葉を繋ぐ(4)

孔子が書いたとされる易伝は天地自然を基準としているので、自然現象と合致します。

 

上下に分けた時は上は天体の動きを参考にし、下は地形によってどこに水が流れやすく、どこに風が吹きやすいかを吟味しています。

 

こうやって考える事で、間に流れる見えない気の動きを理解する事ができるのです。

 

香港島の裏に風水を考えたホテルがありますが、山の斜面から風が強く吹く為、風を邪魔しないように、またホテルが倒壊しないように初めから風穴を開けています。いわゆる龍脈です。

 

天地自然の見えない法則の中で起こっている出来事は人の身体、或いは人間関係の中で起こっている事にも当てはまります。

 

あらゆる法則性が分かってくると、そこには自然に(太極)道ができており、それから出る事がないのが分かります。

 

もしその道を間違えば途中で行き詰まり、循環しないからです。

 

天運(偶然の出会い)を楽しむことができれば、命とは何かを理解する事ができ、心配や憂いがなくなります。

 

安定して考える為には相手に対して、自分の事のように考え、行動する事が大切なのです。つまり、しっかりと愛する事(仁愛の心)です。

 

自然の法則に則った変化の範囲であればやり過ぎる事がなく、どのように変化しても対応できるはずです。

 

これは昼と夜と言う、毎日変化している陰陽の増減を通して理解していくと分かりやすいと思います。

 

昼と夜は地球の自転によって、太陽が昇り沈む事で光と影ができ、1日の覚醒と睡眠に影響があります。

 

1ヶ月(29.53日)は、月の満ち欠けから人のエネルギーの増減(血流の速度)が分かります。

 

1年(365日、60.875日×6)は地球の公転による太陽の位置の違いによって、活動力に影響がある事で分かります。

 

これらの陰陽の変化が交錯してエネルギーの交換が行われており、測れるものは当然全て易の観察法、判断法で説明できますが、測れないものも易は表現でき、神というものは計り知れませんが、その端緒や知る為の方法は提示できるのです。

 

言葉を繋ぐ(3)

上下の位置関係は大切。

 

小さなパーツを集めて大きなイメージ、意味を持たせているのが卦。その意味するところから、良い方向や良い流れなのかを判断する。

 

事物は常に動いているので、その過程で後悔や失敗もあるだろうが、悪い方向と勝手に感じると後悔となる。

 

そういう場合は今度は卦の大きさを変えてみる。(時間・空間の範囲を広げたり、縮めたりしてみる)

 

意味付けにも方向性があり、それぞれ目的があるからである。

 

 

言葉を繋ぐ(2)

全てに本当に優れた人の観察法

 

観察対象をいくつかの区域に分ける

 

ふと沸き起こるイメージを大切にする

 

分けた区域に意味を持たせる

 

これで物事を明確に判断している。

 

どのように動いているか(現在・未来)を自分のものにできれば、変化が見えてくる。

 

つまり明確に判断できるかはイメージを明確に持つかどうかにかかっている。

 

できないと思ったり、ダメだと思うのは、イメージする時点で失敗や自分への信頼がないからである。

 

変化とは、時間の前後をイメージする事であり、

 

剛柔とは、昼夜のように必ず訪れる規則的な陰(夜)と陽(昼)をイメージすると良い。

 

一つのイメージには6方向の動き(上下前後左右)があり、この中で上なのか下なのか、前なのか後ろなのか、左なのか右なのかと言う3つを極限まで煮詰めると、その時点での(自分の)太極(道)ができる。

 

君子と呼ばれるような人は、このような手順を踏んでいるので、安定して思考ができ迷いがない。これが易の順序である。

 

これを楽しんで遊べる人は、6方向の意味とその時々の判断ができるからで、固定した場所からイメージし、観察し、実行に移しているからこそ自由に応用ができる。

 

動きがあれば、その変化を観察して、試行錯誤する事ができ、そうしていると思いがけない幸運(天の恵み)が起こり、良いことはあっても悪いことはない。

言葉を繋ぐ(1)

   東洋的な(古典的な)考え方の基礎になる文書を自分なりの解釈で著していきます。

 

元々、天とは高い場所にあるもので、地とは低い場所にあるものなので、空間の上下(高低)を乾坤と言う名前で一旦固定してみよう。

これによってあらゆるものを一時的に決定する事ができる。

 

物事は時間によって変化するが、その変化にも規則性があるので、動くものは剛、静かなものは柔として考えてみよう。

 

あらゆる物事は同じような種類のものが集めやすいので群として分けていくと、その物事がどの方向から動いてきたのか、今どこにいるのか、そしてどこへ向かおうとしているのかを理解できるようになる。

 

このような考え方をしていくには、過去・現在・未来をイメージする事(天)と理論や図として描き出すこと(地)が大切で、これによって見えないものが見えてくる。

 

こうして思考と実行を繰り返す事で、八卦と言う見えないたくさんの変化する図面が浮かび上がってくる。

 

一つの八卦と言う固定された図面を動かすには、雷のような衝撃で震わせたり、風雨のような動きで濡らしたりする必要がある。これは太陽と月と地球の動きによって、1年に寒暑の変化があるようなもので、先ずはその始めの見えない端緒を乾坤として陰陽に当てはめるのである事を念頭に置いて欲しい。

 

乾は陽、人で言うと男性。坤は陰、人で言うと女性の性質があると言えばイメージしやすいだろう。

 

もう少し詳しく書くと、乾は全ての始まりで、最初から全ての材料はそこにあることを示し、坤はそれが具現化して見える形になる事を示している。

 

乾は易の考え方を使えば理解しやすく、

坤は実際に形になっているので使いやすい。

 

易の法則性を用いれば理解しやすく、簡易としても易の法則性を守っていれば使いやすい。

 

使いやすければ親しみが沸き、親しみが沸けば長く使える。易の法則性に従えば効果がある。使いやすければ習慣となり、その効果も高くなる。

 

長く使えるようにするのは賢い人の知恵。

 

効果を高めるのは賢い人の技。

 

易の法則性に従いながら、簡単にする事ができればあらゆるものの道理を理解し、実行し、結果を出せる。

 

あらゆるものの共通する道理を理解できれば、その事物の中心軸を意識するだけで良い。

 

 

 

 

 

 

父と母

東洋医学では、陰と陽であり、乾と坤を代表として表現されます。

 

父は陽であり乾。

 

母は陰であり坤。

 

陽は上にあって、引っ張っていく役割があると同時に壁として子供に越えさせる役割があります。

 

陰は下にあって、土台を作る役割があると同時に安心とジャンプする勇気を与える役割があります。

 

小さい頃の子供の心情の変化は、主にここに影響されますが、この2つの役割が正常に機能しているかどうかが肝要です。

 

時代の趨勢として、親が二人揃っていない場合、一人が機能していない場合、二人とも機能していない場合等を考える必要もありますが、その場合は時間をかけて子供自身が全ての壁を越え、自分の場所を見つける必要があります。

父と母と限定すると、揃っていない場合や機能していない場合に複雑になってしまう為、表現を簡略化する為に陰陽を用いて代数とすると、状況が変化しても代数を変えれば対応できます。

陽は上にあるからこそ、下の事を盛り立てて、引っ張っていく事が大切で、上ばかり見て引っ張りすぎると、周囲は壁を越えられずに上下の関係性が破たんします。

 

陰は下にあるからこそ、上の事を尊重し、静かに土台作りに専念し、周囲の関係性を広く、豊かにしていきます。

 

どちらが大切とかどちらが重要なのではなく、2つの調和によって、初めて新しい変化、新しい発展が起こります。

 

逆に考えると、新しい変化の芽をこの不調和で摘み取っていないかをしっかりと考える事が大切です。

 

陰陽と表現したことには、他の事象でも同じ法則が適用できるからです。