衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

周易でちょっと読み解く上古天真論(6)

最後の段は、始めに出て来た時代の違いによる人の違いについて 始めは上古(今から4000程前)と今(漢の時代、今から2000年程前)の2つに分けていましたが、ここでは上古と中古に分けた上で、養生を全うした人を真人、至人、聖人、賢人と分けています。 そし…

周易でちょっと読み解く上古天真論(4)

上古聖人が書いてくれた解決策、前半に対する下の句は、 虚邪賊風、避之有時。恬淡虚無、真気從之。精神内守、病安從来。 外から来るものに対しては避ける時機を見極め、避ける事。 心神の働きを極力少なくしていれば、その外からくるものに対しても対応でき…

周易でちょっと読み解く上古天真論(5)

次は、有名ですので説明の必要はないでしょう。 少し補うならば、 宇宙は10、天は9、地は6というのが周易での数の基本です。(1〜5までは生まれて人として形作られるまでの数) そして3つに分類する場合、天人地三才として考えます。 つまり、人は7…

周易でちょっと読み解く上古天真論(3)

では、次にこの四象を八卦にまで広げてみます。 1.黃帝の紹介 わざわざ「而」で区切ってくれています。今から、象・数・理を 書いていくので、注意して練習してくださいねと言っています。 生而〜、弱而〜、幼而〜、長而〜、成而〜 5つに分類していますね…

周易でちょっと読み解く上古天真論(2)

先ず、全体の文章構成。 これは一般的な論文と似ていますので、まだ分かりやすいと思います。 1、本書の重要性 2、養生の大切さ(本編の伝えたい事) の2点です。 更に4つに分類すると、 1、黄帝の紹介 2、養生の大切さ 3、男女に分けた成長、発達、…

周易でちょっと読み解く上古天真論(1)

何度も読んだ人にとっては既知の事かもしれませんが、これは東洋医学の基礎であると同時に周易を学び、その考えを体得する為の練習教材となっています。 ここで、象・数・理(イメージ・数字・意味)について何度か書いたと思いますが、 さて、上古天真論を…

代数、代名(2)

本日拝読したブログに以下のようなものがありました。 kodomokyouiku.upper.jp 読んでいただけると分かると思いますが、 子どもへの声かけによる教育について書かれています。 子どもにとって、親や大人は神(神職者)のような存在 その兄が発する言葉や威は…

代数、代名(1)

前回、意念や呪文と言う現代では聞き慣れない言葉を使いました。 これを読むと怪しいと思った人が多いと思います。 そこで、もう少し広く深く読み解いてみましょう。 老子道徳経の體道第一には「道可道、非常道。名可名、非常名。」と書かれています。 これ…

言葉を繋ぐ(24)-4

【直訳】 天地位を設け、聖人能を成す。人謀(はか)り鬼謀って、百姓も能(のう)に与(あず)かる。 八卦象をもって告げ、爻彖は情をもって言う。剛柔雑居して吉凶見るべし。 変動は利をもって言い、吉凶は情をもって遷る。 この故に愛悪(あいお)相い攻めて吉凶…

言葉を繋ぐ(24)-3

【直訳】 この故に変化云為あり、吉事には祥あり。事に象(かたど)って器を知り、事を占って来(らい)を知る。 【原文】 是故變化云爲。吉事有祥。象事知器。占事知來。 【私的解釈】 このようなわけで、変化が起こった後に言動や行動があり、吉事には兆しがあ…

言葉を繋ぐ(23)

【直訳】 易の興るや、それ殷の末世、周の盛徳に当るか。文王と紂(ちゅう)との事に当るか。この故にその辞危うし。危(あや)ぶむ者は平らかならしめ、易(あなど)る者は傾かしむ。その道はなはだ大にして、百物廃(すた)れず。懼れてもって終始すれば、その要は…

言葉を繋ぐ(22)

【直訳】 易の書たるや、広大にして悉(ことごと)く備わる。天道あり、人道あり、地道あり。三才を兼ねてこれを両(ふた)つにす。故に六なり。六とは它(た)にあらず。三才の道なり。道に変動あり、故に爻と曰う。爻に等あり、故に物と曰う。物相い雑(まじ)る、…

言葉を繋ぐ(21)-3

【直訳】 噫(ああ)また存亡吉凶を要するは、居ながらにして知るべし。知者その彖辞を観れば、思い半(なか)ばに過ぎん。 【原文】 噫亦要存亡吉凶。則居可知矣。知者觀其彖辭。則思過半矣。 【私的解釈】 生死や良し悪しを求めてしまうのは、簡単に、しかも直…

言葉を繋ぐ(21)-2

【直訳】 その初(しょ)は知り難く、その上(じょう)は知り易し。本末なればなり。初は辞もてこれに擬(なぞら)え、卒(おわ)りはこれを成して終る。もしそれ物を雑(まじ)え徳を撰(えら)び、是と非とを弁ぜんとすれば、その中爻にあらざれば備わらず。 【原文】 …

言葉を繋ぐ(21)-1

【直訳】 易これ書たるや、始めを原(たず)ね終りを要(もと)め、もって質となすなり。六爻相い雑(まじ)るは、ただその時の物なり。 【原文】 易之爲書也。原始要終。以爲質也。六爻相雜。唯其時物也。 【私的解釈】 易の書は、『始め、出発点、大元、原因』が…

言葉を繋ぐ(20)-3

【直訳】 初(はじ)めその辞に率(したが)って、その方(みち)を揆(はか)れば、既にして典常あり。苟(いやしく)もそれ人にあらざれば、道、虚しく行なわれず。 【原文】 初率其辭。而揆其方。既有典常。苟非其人。道不虚行。 【私的解釈】 初めは易の卦辞、爻辞…

言葉を繋ぐ(20)-2

【直訳】 その出入度をもってし、外内懼れを知らしむ。また憂患と故(こと)とを明かにす。師保あることなけれども、父母に臨まるるがごとし。 【原文】 其出入以度。外内使知懼。又明於憂患與故。无有師保。如臨父母。 【私的解釈】 出入進退には節度を持つこ…

言葉を繋ぐ(20)-1

【直訳】 易の書たるや遠くすべからず。道たるやしばしば遷る。変動して居(とどま)らず、六虚(りくきょ)に周流(しゅうりゅう)す。上下すること常なく、剛柔相い易(かわ)る。典要となすべからず、ただ変の適(ゆ)く所のままなり。 【原文】 易之爲書也不可遠。…

言葉を繋ぐ(19)-3

【直訳】 履はもって行ないを和す。謙はもって礼を制す。復はもってみずから知る。恒はもって徳を一にす。損はもって害に遠ざかる。益はもって利を興す。困はもって怨(うら)みを寡(すくな)くす。井はもって義を弁ず。巽はもって権を行なう。 【原文】 履以和…

言葉を繋ぐ(19)-2

【直訳】 履は和して至る。謙は尊にして光る。復は小にして物に弁つ。恒は雑にして厭(いと)わず。損は先に難(かた)くして後には易し。益は長裕(ちょうゆう)して設けず。困は窮して通ず。井はその所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠(かく)る。 【原文】 履和…

言葉を繋ぐ(19)-1

【直訳】 易の興(おこ)るや、それ中古においてするか。易を作る者は、それ憂患あるか。 この故に、履(り)は徳の基(もと)なり。謙は徳の柄(え)なり。復は徳の本(ほん)なり。恒は徳の固(こ)なり。損は徳の修(しゅう)なり。益は徳の裕(ゆう)なり。困は徳の弁(べ…

言葉を繋ぐ(18)-2

【直訳】 それ易は、往(おう)を彰(あき)らかにして来(らい)を察し、微(び)を顕(けん)にして幽(ゆう)を闡(ひら)き、開きて名に当て、物を弁(わきま)え言を正しくし、辞を断ずれば備わる。その名を称するや小にして、その類を取るや大なり。その旨遠く、その辞…

言葉を繋ぐ(17)-13

【直訳】 子曰く、君子はその身を安くして後に動き、その心を易(やす)くして後に語り、その交(まじ)わりを定めて後に求む。君子はこの三者を修(おさ)む、故に全(まった)きなり。危くしてもって動けば、民与(くみ)せざるなり。懼れてもって語れば、民応ぜざる…

言葉を繋ぐ(17)-12

【直訳】 天地絪緼(いんうん)して、万物化醇(かじゅん)し、男女精(せい)を構(あわ)せて、万物化生す。 易に曰く、三人行けば一人を損す、一人行けばその友を得と。一を致すべきを言えるなり。 【原文】天地絪緼、萬物化醇。男女構精。萬物化生。 易曰。三…

言葉を繋ぐ(17)-11

【直訳】 子曰く、顔氏(がんし)の子(こ)は、それ殆(ほと)んど庶幾(ちか)からんか。不善あればいまだ嘗(か)つて知らずんばあらず。これを知ればいまだ嘗つて復(ま)た行なわざるなり。易に曰く、遠からずして復(かえ)る、悔に祇(いた)ることなし、元吉、と。 …

言葉を繋ぐ(17)-10

【直訳】 子曰く、幾(き)を知るそれ神か。君子上交して諂(へつら)わず、下交してけがれず、それ幾を知れるか。幾は動の微(び)にして、吉(凶)のまず見(あら)わるるものなり。君子は幾を見て作(た)ち、日を終うるを俟(ま)たず。易に曰く、介(かた)きこと石のご…

言葉を繋ぐ(17)-9

【直訳】 子曰く、徳薄くして位尊(たっと)く、知小にして謀(はかりごと)大に、力小にして任重ければ、及ばざること鮮(すくな)し。 易に曰く、鼎(かなえ)、足を折り、公の餗(そく)を覆(くつが)えす、その形渥(あく)たり、凶なり、と。その任に勝(た)えざる…

言葉を繋ぐ(17)-8

【直訳】 子曰く、危うきものは、その位に安んずる者なり。亡ぶるものは、その存を保つ者なり。乱るるものは、その治を有(たも)つ者なり。この故に君子は安くして危うきを忘れず、存して亡ぶるを忘れず、治まりて乱るるを忘れず。ここをもって身安くして国家…

言葉を繋ぐ(17)-7

【直訳】 善積(ぜんつ)まざれば、もって名を成すに足らず。悪(あく)積まざればもって身を滅ぼすに足らず。小人は小善をもって益なしと為して為さざるなり。小悪をもって傷(そこな)うなしと為して去らざるなり。故に悪積みて掩(おお)うべからず、罪大にして解…

言葉を繋ぐ(17)-6

【直訳】 子曰く、小人(しょうじん)は不仁(ふじん)を恥(は)じず、不義を畏(おそ)れず、利を見ざれば勧(すす)まず、威(おど)さざれば懲(こ)りず。小しく懲らして大いに誡(いまし)むるは、これ小人の福(さいわい)なり。 易に曰く、校(かせ)を履(は)いて趾(あし…