衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(19)-3

【直訳】

履はもって行ないを和す。謙はもって礼を制す。復はもってみずから知る。恒はもって徳を一にす。損はもって害に遠ざかる。益はもって利を興す。困はもって怨(うら)みを寡(すくな)くす。井はもって義を弁ず。巽はもって権を行なう。

 

【原文】

履以和行。謙以制禮。復以自知。恆以一德。損以遠害。益以興利。困以寡怨。井以辯義。巽以行權。

 

 

【私的解釈】
 天沢履の心を持っていれば行動が和らげられる。地山謙の心を持っていれば礼儀が通じる。地雷復の心を持っていれば自分を省みることができる。雷風恒の心を持っていれば言動、行動による徳が1つの目的に集約される。山沢損の心を持っていれば損なう事から逆に遠ざかる。風雷益の心を持っていれば様々な事が大きな役に立つ。沢水困の心を持っていれば恨まれることが少なくなる。風水井の心を持っていれば道理が明らかになる。巽為風の心を持っていれば臨機応変に対処出来るようになる。

 

 天沢履 f:id:shuji0211:20170511191510j:plain [陽陽陰陽陽陽]は徳の土台となって、調和する事を主眼として、影で積んでいくことでその心が叶い、行動がプラスに働く。

 

 地山謙 f:id:shuji0211:20170511191750j:plain [陰陰陽陰陰陰]は徳を使える時期を計る為に、謙虚な心を忘れず行動する事で、力を発揮できる時期(天運)が巡ってくるのを待っている。

 

 地雷復 f:id:shuji0211:20170511192229j:plain [陽陰陰陰陰陰]は今までの陰徳の積み重ねから、力を発揮できる時期に来ているが、それでもまだ謙虚な気持ちを持ち少しずつ動かしている。

 

 雷風恒 f:id:shuji0211:20170511192739j:plain [陰陽陽陽陰陰]は力が発揮できているからこそ、目的を再認識して心新たにする。

 

 山沢損 f:id:shuji0211:20170511193653j:plain [陽陽陰陰陰陽]は発揮できている力を更に精錬させるために、自分なりに整理する。

 

 風雷益 f:id:shuji0211:20170511193731j:plain [陽陰陰陰陽陽]は発揮した力があらゆるものに影響することで、山沢損で損なった利益すらも還ってくる。

 

 沢水困 f:id:shuji0211:20170511194222j:plain [陰陽陰陽陽陰]は一人力を発揮する事によって羨まれたり、逆恨みされたりする事をも超越する。

 

 風水井 f:id:shuji0211:20170511205602j:plain [陰陽陰陰陽陽]は上記までの意識と経験が積み重なり、徳、易の道理を習得する。

 

 巽為風 f:id:shuji0211:20170511205511j:plain [陰陽陽陰陽陽]は徳や易の道理として太極ができた上で、自由に行動、言動を行う事ができる。

 

 解釈は粗くなっていますが、(19)は9種の卦を使って、あらゆる事象の構造、

流れ、心持ちに対して書いているように感じるので、徳と易の道理として再解釈してみました。