徳の教え(76)道徳経下篇・徳経(39)
戒強(かいきょう)第七十六 と言う副題がついています。
強さを戒めること。
人間では肉体的な強さは男性の方が構造的に強いものですが、それを誇示し過ぎると人は去ります。
家族では家長が横暴だと家族がバラバラになります。
食物連鎖では、ヒエラルキーのトップが暴走すると下層が減少し、最終的には上層が苦しみ、減少する。
どんな人でも生き物でも皆同じ。
以下鳳凰堂流解釈
人は生きている時は柔らかいが、死ぬと硬くなる。
あらゆる生命も同じように生きていれば柔らかいが死ぬと硬くなる。
ここから考えると強さは死と直結しており、
弱さは生きている証。
軍隊が強すぎれば傲慢、支配が強くなり、人の生き方は滅亡、死に直面する。
木が強く、硬ければ、柔軟な木よりも折れやすい。
強く大きいからこそ下で支え、弱く柔らかいものが次への変化、可能性の模索をするのが自然の理である。
【直訳】
人の生くるや柔弱、その死するや堅強(けんきょう)。万物草木の生くるや柔脆(じゅうぜい)、その死するや枯槁(ここう)。故に堅強は死の徒となり、柔弱は生の徒なり。ここをもって兵強ければすなわち滅び、木強ければすなわち折らる。強大は下に処(お)り、柔弱は上に処る。
【原文】
人之生也柔弱、其死也堅強。萬物草木之生也柔脆、其死也枯槁。故堅強者死之徒、柔弱者生之徒。是以兵強則滅、木強則折。強大處下、柔弱處上。