衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

徳の教え(68)道徳経下篇・徳経(31)

配天(はいてん)第六十八と言う副題がついています。

 

天の采配と言う意味でしょうか。

 

天は自然の恵みとして、日光、雨、風を地にもたらします。

 

地はそれを受けて、それぞれ持つ能力を伸ばして循環し、その循環のエネルギーをまた天に還す事で天地が相交わっています。

 

つまり、能力を最大限に伸ばすのは自ら光を放つ為であり、他と競争したり、害する為ではありません。

 

能力を発揮できた人が次にすることはその能力を周りに使い、助け、循環させること。

 

以下鳳凰堂流意訳

良く道をわきまえた士は自分の技を使うことがない。

 

良く何かの為に力の侵攻を防ぐ人は妄りに怒らない。

 

良く相手よりも優れた結果を出す人は争う事をしない。

 

良く人と交流し、助けて貰える人は態度が謙虚。

 

これを不争の徳と呼んでおり、他力を用いるとも呼ばれ、

 

天から采配された力を最大限活用できていると考えられます。

 

【直訳】

善く士たる者は武ならず。善く戦う者は怒らず。善く敵に勝つ者は与あらそわず。善く人を用もちうる者はこれが下となる。これを不争の徳と謂い、これを人の力を用うと謂い、これを天の極に配すと謂う。

 

【原文】
善爲士者不武。善戰者不怒。善勝敵者不與。善用人者爲之下。是謂不爭之徳、是謂用人之力、是謂配天之極。