徳の教え(47)道徳経下篇・徳経(10)
鑒遠(かんおん)第四十七 と言う副題がついています。
遠くの事を識別するとでも訳しまょうか。
霊枢本神篇(鍼のお経の中の一つの篇)には、遠くの事に想いを馳せる事を智と言うというような言葉がありました。
物理的、空間的に遠い場合もあれば、時間的に遠い場合もあります。
どこにいても明確に理解し、イメージする事ができるのは、智と感性が一致している時。
イメージができれば時間がかかっても現実になります。
【直訳】
戸を出でずして、天下を知り、牖(まど)より闚(うかが)わずして、天道を見る。その出ずることいよいよ遠ければ、その知ることいよいよ少なし。ここをもって聖人は行かずして知り、見ずして名あきらかに、なさずして成なる。
【原文】
不出戸、知天下、不闚牖、見天道。其出彌遠、其知彌少。是以聖人不行而知、不見而名、不爲而成。