言葉を繋ぐ(14)-4
【直訳】
日中に市(いち)を為し、天下の民を致し、天下の貨を聚(あつ)め、交易して退き、各々その所を得るは、蓋しこれを噬嗑噬(ぜいこう)に取る。
【原文】日中爲市。致天下之民。聚天下之貨。交易而退。各得其所。蓋取噬嗑。
【私的翻訳】
日中に市場を開いて、天下の人々を招き寄せて、天下の品物を集め、交換や売買をして帰る、それぞれがそのような場所を得られる状況を火雷噬嗑(ぜいごう)に集約している。
【私的解釈】
神農氏が農耕を主体とした生活にしていったことで、貨幣経済が始まり、経済が発展していくことを火雷噬嗑の卦に当てはめた。
火雷噬嗑とは、本来障害となるハードルに対しては除去をしていく、噛み砕く事が卦辞となっています。火が上にあり下に雷がある事から、威力の大きな瞬発的なエネルギーを指してもいます。
本卦が火雷噬嗑であれば、
之卦は火地晋、火沢睽、離為火、山雷頥、天雷无妄、震為雷の6つの方向性があり、
互卦は水山蹇。
錯卦は水風井。
綜卦は山火賁。
となります。
つまり、大きなエネルギーが瞬発的に働く事によって
益々良いことを進めていく。
衝突があるが、それをどう捉えるか。
かなり前に進む為、冷静に対処すべき。
あくまでも一瞬なので、控えめに考えるべき。
より良い状況が生まれる。
あくまでも表面上のものなので、大きく騒がない。
という6種の方向性があり、
解決策としては、今はあまり動かずに時が来るのをまつべき。
裏には静かに根気良く自分の本文を守るべきという心情が隠れており、
他人からは、動かずとも中に蓄えているエネルギーが充満している姿に映っています。