衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(14)-1

古者(いにしえ)包犠(ふっき)氏の天下に王たるや、仰(あお)いでは象を天に観(み)、俯(ふ)しては法を地に観、鳥獣の文(ぶん)と地の宜(ぎ)を観、近くはこれを身に取り、遠くはこれを物に取る。ここにおいて始めて八卦(はっか)を作り、もって神明(しんめい)の徳を通じ、もって万物の情を類す。


 昔、包犠氏が天下の王なった時、上を見上げては象(形)を日月などの天に見て、下を伏して見れば法(手本)を山川などの地に見て、鳥獣の模様と地の良い物を見て、近くではこれを身体から選びとり、遠くではこれを色々なものから選びとった。そうして、あらゆるものを集約した結果、初めて八卦を作り、神明の徳を通して検証し、万物のほんとうの姿を区分けした。

 

古者包犠氏之王天下也。仰則觀象於天。俯則觀法於地。觀鳥獸之文。與地之宜。近取諸身。遠取諸物。於是始作八卦。以通神明之德。以類萬物之情。

 

伏羲と言う伝説の王がいた時には、あらゆるものを1つの法則性で纏めていました。

 

天(或いは上)として観るものの場合は、イメージを主体に全体像や全体の法則性、マクロ的観点を重視し、

 

地(或いは下)として観るものの場合は、マニュアルや形、物体から認識できる法則性、ミクロ的観点を重視する。

 

特に当時身近にある物質としては、鳥獣の動静や地形、場所の良し悪しの判断が1番使いやすかった為、これを基準として人体に当てはめ、イメージは様々なものから取っていきました。

 

このようにして、あらゆるものを八種類に分類したのが八卦であり、この八卦の見方はまた、その都度、象(イメージ・直感)、数、理を照らし合わせる事で、真実の状態、変化を把握していたのです。