言葉を繋ぐ(8)ー2
天火同人五爻 [陽陰陽陽陽陽]
人と心を一つにする際には、始めは泣き叫ぶが後には笑顔となる、と言う言葉が天火同人と言う卦の下から五番目の意味です。
孔子の解釈は「君子の道は世に出るものもいれば、野にいるものもいる。黙っているものもいれば、語るものもいる。このような君子達の中で、二人が心を同じくするだけで、金属を断つくらいの鋭さとなる。心を同じくしたもの同士の言葉は蘭のような香りである」としています。
天火同人の卦自体は、天と火が描かれています。火が天に上っていく様であり、
同じような属性のものが集まって天へと昇華するイメージです。
但し、五爻では大変な苦難の末に同志に出会うことで調和できるとされています。
卦を凝縮しても、天か火のどちらか一つにしか見えません。
似たようなものの中から合うものを一つ選ぶには始めは失敗が多いけれど、区別できてくれば必ず分かってくるという解釈をしています。
人体で言うと、卦のイメージとしては全身に気が満ちすぎて気の滞りが出ている状態ですが、
熱源は下半身。下半身の熱を取るか、上半身から抜くか。どちらであっても
経過は大変苦しむが、結果としては発散できるはずのものが発散できていないだけなので必ず調和できるという意味に取れます。