衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(24)-1

【直訳】

それ乾は、天下の至健(しけん)なり。徳行恒(つね)に易(い)にしてもって険を知る。それ坤は、天下の至順(しじゅん)なり。徳行恒に簡にしてもって阻を知る。

 

【原文】

夫乾。天下之至健也。德行恆易以知險。夫坤。天下之至順也。德行恆簡以知阻。

 

【私的解釈】
 乾とは天下のこれ以上ない健なかなものである。徳にかなった正しい行ないは、常に優しくすることで厳しさを知ることである。

 

    坤は天下のこれ以上ない順なるものである。徳にかなった正しい行ないは、手軽にすることで端緒を掴ませ、その後にその精妙さを実現することの難しさ、険しさ、厳しさを理解させる事である。

 

 人と共に学んでいく姿勢として、

 

 自我や自尊心が悪いのではなく、自我や自尊心が大きく伸びやかな人はそれを人に優しくする事(坤)に転化できれば、そこから人は厳しさを受け取る事でしょう。受け取れなければ、それはその人の問題で、その時期になかったのか、その方向を向いていないだけです。

 

 優しさや気配りの大きな人は、その性質によって人と仲良くなりやすく、受け入れやすくすることができるので、そこから徐々に難しい事、精妙な事(乾)を実現できるように寄りそって行ければ難しさ、険しさ、厳しさも理解できるようになります。但し、その時期にない人、その方向を向いていない人は、その優しさに浸かり、甘えるだけになるという錯卦もあるので充分に注意する必要があります。