言葉を繋ぐ(19)-2
【直訳】
履は和して至る。謙は尊にして光る。復は小にして物に弁つ。恒は雑にして厭(いと)わず。損は先に難(かた)くして後には易し。益は長裕(ちょうゆう)して設けず。困は窮して通ず。井はその所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠(かく)る。
【原文】
履和而至。謙尊而光。復小而辨於物。恆雜而不厭。損先難而後易。益長裕而不設。困窮而通。井居其所而遷。巽稱而隱。
【私的解釈】
天沢履は調和を計ることが主となる。地山謙は尊くして輝く。地雷復は小さくして事物を区別する。雷風恒は入り乱れても苦にしない。山沢損は始めは難しく後はたやすい。風雷益はいつまでも豊かにしてこしらえず。沢水困は極まって通じる、水風井はその場所を動かずに移る。巽為風は測り考えており、外からは見えない。
天沢履 [陽陽陰陽陽陽]陰気を上に挙げることが先ず第一。
陽気に囲まれて1つだけ陰気がある。離火の膨脹しきっ
た状態。つまり、何があっても大人しくする時。
地山謙 [陰陰陰陰陰陽]天沢履の錯卦となっています。自分の能力を分かってい
るからこそ、控えている時。
地雷復 [陽陰陰陰陰陰]上記2つが揃えば、スタートの時。
雷風恒 [陰陽陽陽陰陰]上記3つが揃えば、それを続ける時。
山沢損 [陽陽陰陰陰陽]次の大きな山を越えるためには、リスクも覚悟をする時。
風雷益 [陽陰陰陰陽陽]リスクをも超えたからこそ、益を得られる時。
沢水困 [陰陽陰陽陽陰]慢心が落ちる布石になるのか、良い経験になるのか。
水風井 [陰陽陽陰陽陰]全てにおいて地道に積み重ね、
巽為風 [陰陽陽陰陽陽]柔軟に適応することが易の理。
という流れで解釈しました。