衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(16)

【直訳】

陽卦は陰多く、陰卦は陽多し。その故何ぞや。陽卦は奇にして、陰卦は偶(ぐう)なればなり。その徳行は何ぞや。陽は一君にして二民、君子の道なり。陰は二君にして一民、小人の道なり。

 

【原文】

陽卦多陰。陰卦多陽。其故何也。陽卦奇。陰卦偶。其德行何也。陽一君而二民。君子之道也。陰二君而一民。小人之道也。

 

【私的解釈】
 陽卦(震、坎、艮)は陰爻が多い方の三卦であり、陰卦(巽、離、兌)は陽爻が多い方の三卦となっている。その理由はなにか。陽卦は奇数爻(陽爻)が一つで、陰卦は偶数爻(陰爻)が一つだからである。このように考えると、易の道理にかなった行ないとはなにか。陽卦は一君(陽)に二民(陰)であり、君子の道とされる。陰卦は二君(陽)で一民(陰)であり、小人の道とされる。

 

陽卦は陰爻が多いからこそ、少ない方の陽爻に着目している為、陽卦と言われている。

 陰卦はその逆であり、見えないものを観る為には、見えるものから類推していく事が大切で、それを更に深めて意味に落とし込むと、陽卦は君子の道(太極)であり、陰卦は小人の道(太極)であると言っています。

 

 つまり、物事を観る際には、目の前にあるもの、形あるものを観るのではなく、

それによって動かされているものを見続けることが大切だと言っているのではないでしょうか?

 

多くの民の為に動く事は君主から見た考え。

何人にも教えを請うたり、いくつもの安心感が必要な事(独自の考えを持たない)は一般の人から見た考え。

 

 このような観点が東洋医学の藏象図には良く表現されています。

  

左3枚、右4枚とか九管等はその数字から解釈できるものの奥に広がりがあります。

 

 更に言うと、これもあくまでも1つの見方(太極)を提示しているだけだという事です。