言葉を繋ぐ(15)
【直訳】
この故に易とは象なり。象とは像(しょう)なり。彖(たん)とは材なり。爻とは天下の動に効(なら)うものなり。この故に吉凶生じ悔吝(かんりん)著(あら)わるるなり。
【原文】
是故、易者、象也、象也者像也。彖者、材也、爻也者、效天下之動者也。是故、吉凶生、而悔吝著也。
【私的翻訳】
以上のように、
易の言葉(理)はイメージ(象)と繋がっています。
イメージとは実際の物事と勘やヒラメキが繋がっている事です。
彖(卦辞)は基礎資料として役立つもので、
爻はあらゆるもの動きに繋がりながら変化をあらわすものです。
このように易が構成されているからこそ、物事の良し悪しが分かり、それを後悔すればそこからは良い方向へ向かい、そこに自我が発揚して憤れば悪い方向へ向かいます。
【解釈】
本節は今まで書いた事を纏めています。
前節(14)では離為火、風雷益、火雷噬嗑、乾為天、坤為地、風水渙、沢雷随、雷地豫、雷山小過、火沢睽、雷天大壮、沢風大過、沢天夬という卦を題材にして、易のイメージと漢字、意味とを繋げていきました。
そして、本節でなぜそうしたのかという理由、意味を解説しています。
易には、無極←→太極←→両儀←→四象←→八卦←→六十四卦←→三百八十四爻(三百八十六爻)という流れがありますが、その中で細分化された六十四卦の解説をしながら、実際に当てはめていく方法を教えてくれています。
気(エネルギー)というものは、存在しているだけで陽であり乾ですが、乾坤だけ1組で語られている事を深読みしていくことで
聖人が南面するのは陽に着目する為に聖人南面すと表現しているものがありますが、
太極を定めると必ず陰陽があります。乾坤の節だけは一組で語られているので陽を観る際には必ず陰を意識しておくべき事を暗示しているのでしょう。
つまり、本卦が出た際には必ず之卦、互卦、錯卦、綜卦を意識しておきましょう。
常に、教えてくれながらも自ら答えを出していかなければいけないよう仕組んでくれているところが、東洋思想の面白いところですね。