節度と養生⑤-1
⑤-1 睡眠
節度と養生の最後は睡眠について。
東洋医学の古典では、冬で始まる事が多く、冬は人体では腎をあらわしています。
この腎は腎臓そのものだけではなく、機能とメインに波及する効果までをあらわしています。そして先天的な両親からいただいた元気があるところとも言われます。
東洋的な身体観から言うと、この先天的に両親からいただいた気が覚醒と睡眠、活動と回復(リサイクル)を繰り返しています。
その回転の速度と大きさは、生まれ出て、成長し、青年期・壮年期までに加速し、膨張します。
壮年期を経た後からは徐々に収縮し、減速し、極限まで小さくなると雲散霧消します。
1日のサイクルから1年のサイクル、一生のサイクルでの共通項を探すと、類似している事が分かります。このような考え方を理論、イメージ、数と一致させる事も易となります。
1日の終わりは睡眠で外界との意識的な交流を閉じ、一生の終わりは永眠とも呼ばれて他の人との交流ができにくくなります。
この睡眠の間は無駄な活動を極力減らし、次の活動が円滑に行われるようにする為の回復期間であり、準備期間であるのでしっかりと時間をかけて休息、回復できる事が望ましいのです。