衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

言葉を繋ぐ(17)-5

【直訳】 易に曰く、公もって隼(はやぶさ)を高墉(こうよう)の上に射る、これを獲て利ろしからざるなし、と。子曰く、隼とは禽(えもの)なり。弓矢とは器なり。これを射るは人なり。君子は器を身に蔵(かく)し、時を待ちて動く。何の不利かこれあらん。動きて…

言葉を繋ぐ(17)-4

【直訳】 易に曰く、石に困(くる)しみ、蒺蔾(しつり)に拠(よ)る。その宮に入りて、その妻を見ず、凶なり、と。 子曰く、困しむべき所にあらずして困しめば、名必ず辱(はずか)しめらる。拠るべき所にあらずして拠れば、身必ず危し。既に辱しめられ且つ危うけ…

言葉を繋ぐ(17)-3

【直訳】 尺蠖(せきくわ)の屈するは、もって信(の)びんことを求むるなり。竜蛇(りょうだ)の蟄(かく)るるは、もって身を存するなり。義を精(くわ)しくし神に入るは、もって用を致すなり。用を利し身を安んずるは、もって徳を崇(たか)くするなり。これを過ぐる…

言葉を繋ぐ(17)-2

【直訳】 日往けば月来り、月往けば日来り、日月相い推して明(めい)生ず。寒往けば暑来り、暑往けば寒来り、寒暑相い推して歳(とし)成る。往くとは屈するなり、来るとは信(の)ぶるなり。屈信相い感じて利生ず。 【原文】 日往則月來。月往則日來。日月相推而…

言葉を繋ぐ(17)-1

【直訳】 易に曰く、憧憧(しょうしょう)として往来すれば、朋(とも)爾(なんじ)の思いに従う、と。子曰く、天下何をか思い何をか慮(おもんぱか)らん。天下帰(き)を同じくして塗(みち)を殊にし、致を一にして慮(りょ)を百にす。天下何をか思い何をか慮らん。 …

言葉を繋ぐ(16)

【直訳】 陽卦は陰多く、陰卦は陽多し。その故何ぞや。陽卦は奇にして、陰卦は偶(ぐう)なればなり。その徳行は何ぞや。陽は一君にして二民、君子の道なり。陰は二君にして一民、小人の道なり。 【原文】 陽卦多陰。陰卦多陽。其故何也。陽卦奇。陰卦偶。其德…

言葉を繋ぐ(15)

【直訳】 この故に易とは象なり。象とは像(しょう)なり。彖(たん)とは材なり。爻とは天下の動に効(なら)うものなり。この故に吉凶生じ悔吝(かんりん)著(あら)わるるなり。 【原文】 是故、易者、象也、象也者像也。彖者、材也、爻也者、效天下之動者也。是故…

言葉を繋ぐ(14)-13

【直訳】 上古は結縄(けつじょう)して治まる。後世の聖人これに易うるに書契(しょけい)をもってし、百官(ひゃくかん)もって治め、万民もって察(あきら)かなるは、蓋しこれを夬(かい)に取る。 【原文】 上古結繩而治、後世聖人易之以書契、百官以治、萬民以察…

言葉を繋ぐ(14)-12

【直訳】 古(いにしえ)の葬る者は、厚くこれに衣(き)するに薪(しん)をもってし、これを中野に葬り、封(ほう)せず樹(じゅ)せず、喪期(そうき)数なし。後世の聖人これに易うるに棺椁(かんかく)をもってするは、蓋しこれを大過に取る。 【原文】 古之葬者、厚衣…

言葉を繋ぐ(14)-11

【直訳】 上古(じょうこ)は穴居(けっきょ)して野処(やしょ)す。後世の聖人これに易(か)うるに宮室をもってし、棟(むなぎ)を上にし宇(のき)を下にし、もって風雨を待つは、蓋しこれを大壮に取る。 【原文】 上古穴居而野處、後世聖人易之以宮室、上棟下宇、以…

言葉を繋ぐ(14)-10

【直訳】 木に弦(つる)して弧(ゆみ)と為し、木をけずりて矢と為し、弧矢(こし)の利、もって天下を威(おど)すは、蓋しこれをけいに取る。 【原文】 弦木為弧、剡木為矢、弧矢之利、以威天下、蓋取諸睽。 【私的翻訳】 木にツルを張って弓を作り、木を削って矢…

言葉を繋ぐ(14)-9

【直訳】 木を断(き)りて杵(きね)と為し、地を掘りて臼(うす)と為し、臼杵(きゅうしょ)の利、万民もって済(すく)うは、蓋しこれを小過に取る。 【原文】 斷木為杵、掘地為臼、臼杵之利、萬民以濟、蓋取諸小過。 【私的翻訳】 木を切って杵を作、地面を掘って…

言葉を繋ぐ(14)-8

【直訳】 重門撃柝(ちょうもんげきたく)、もって暴客を待つは、蓋しこれを予(よ)に取る。 【原文】 重門撃柝。以待暴客。蓋取諸豫。 【意訳】 門を重ねて拍子木を打つ、このようにしっかりと準備をして暴客をまち受ける事を雷地豫として集約する。 【解釈】 …

言葉を繋ぐ(14)-7

【直訳】 牛を服(ふく)し馬に乗り、重きを引き遠きを致して、もって天下を利するは、蓋しこれを随に取る。 【原文】 服牛乘馬、引重致遠、以利天下、蓋取諸隨。 【私的翻訳】 牛に車を付けて、馬に乗り、重いものを引いて、遠くまでいたれるようにして天下の…

言葉を繋ぐ(14)ー6捕捉

本卦が風水渙であれば、 之卦は風沢中孚、風地観、巽為風、天水訟、山水蒙、坎為水の6方向。 互卦は山雷頥 錯卦は雷火豊 綜卦は水沢節 となります。 つまり、大変な思いをして頑張った結果、未来が開けようとしている時の事を指しています。水という危険の…

言葉を繋ぐ(14)-6

【直訳】木を刳(く)りて舟と為し、木を剡(けず)りて楫(かじ)と為し、舟楫(しゅうしゅう)の利、もって通ぜざるを済(わた)し、遠きを致してもって天下を利するは、蓋しこれを渙(かん)に取る。 【原文】刳木為舟、剡木為楫、舟楫之利、以濟不通、致遠以利天下…

言葉を繋ぐ(14)-5

【直訳】 神農氏没して、黄(こう)帝堯(ぎょう)舜(しゅん)氏作(おこ)る。その変を通じ、民をして倦(う)まざらしめ、神にしてこれを化し、民をしてこれを宜しくせしむ。易は窮まれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し。ここをもって天よりこれを祐(たす)け、吉…

言葉を繋ぐ(14)-4

【直訳】 日中に市(いち)を為し、天下の民を致し、天下の貨を聚(あつ)め、交易して退き、各々その所を得るは、蓋しこれを噬嗑噬(ぜいこう)に取る。 【原文】日中爲市。致天下之民。聚天下之貨。交易而退。各得其所。蓋取噬嗑。 【私的翻訳】 日中に市場を開…

言葉を繋ぐ(14)-3

【私的直訳】 包犠氏没して、神農(しんのう)氏作(おこ)る。木をきりて耜(し)と為し、木を揉(たわ)めて耒(らい)と為し、耒耨(らいどう)の利(り)、もって天下に教うるは、蓋(けだ)しこれを益(えき)に取る。 【原文】 包犠氏沒。神農氏作。斲木爲耜。揉木爲耒。…

言葉を繋ぐ(14)-2

縄(なわ)を結(むす)んで作(な)して罔罟(もうこ)を為(な)し、もって佃(かり)しもって漁(すなど)るは、蓋(けだ)しこれを離(り)に取る。 【私的直訳】 縄を結んで獸を取る網(罔)や魚を取る網(罟)を作り、それで狩りをして魚をとる。このような状況を離為火とし…

言葉を繋ぐ(14)-1

古者(いにしえ)包犠(ふっき)氏の天下に王たるや、仰(あお)いでは象を天に観(み)、俯(ふ)しては法を地に観、鳥獣の文(ぶん)と地の宜(ぎ)を観、近くはこれを身に取り、遠くはこれを物に取る。ここにおいて始めて八卦(はっか)を作り、もって神明(しんめい)の徳…

言葉を繋ぐ13-(5)

天地の大徳(だいとく)を生と曰(い)い、聖人の大宝(たいほう)を位と曰(い)う。何をもってか位を守る。曰く仁。何をもってか人を聚むる。曰く財。財を理(おさ)め辞を正しくし、民の非を為すを禁ずるを、義と曰う。 天運によって地縁が出来、地縁によって天運の…

言葉を繋ぐ13-(4)

爻象は内に動いて、吉凶は外に見(あら)われ、功業は変に見(あら)われ、聖人の情は辞に見(あら)わる。 効果のイメージは見えない太極の中(体内)で動き続け、変化し続けており、効果の良し悪しは外に現れる。どのように実際の効果が出たのかは変化によって類…

言葉を繋ぐ(13)-3

それ乾は、確然(かくぜん)として人に易(い)を示す。それ坤は、隤然(たいぜん)として人に簡(かん)を示す。爻とは、これに効(なら)う者なり。象とは、これに像(かたど)る者なり。 乾は太極を明確化するものであり、変化を示すものである。 坤は変化の法則性…

言葉を繋ぐ(13)-2

慎み深さと未来志向 現在・過去・未来の良し悪しはこの八卦の動きをどう解釈するかにある。 剛柔とはこの解釈の元になる虚実の事を指している。 変化して廃れるか、変化が良い方向へ動くかは現在・過去・未来を通した方向性から分析できる。 吉凶悔吝者。生…

言葉を繋ぐ(13)-1

太極から九宮八卦にまで分ける。 陰陽太極は1を軸と枠組みに置く事で物事を陰陽と言う二つの相対的な物事に分類する。 四象五行は、上下を作る事で、左右の違いまで表現する。 八卦九宮はその隙間を埋める事で、順序という概念が生まれる。その順序の中に、…

言葉を繋ぐ(12)

易には天から助けがあると書かれています。 天の助けは時間の流れと共に流れてきます。人の助けを得るには信じる事、誠実さを保つ事が大切です。 信じてから後、考えるのが順当な時間の流れです。 知恵がある人は、そうすることで天からの助けを受けているの…

言葉を繋ぐ(11)

孔子は、易とは何か?と尋ねています。 易とは何かを成し遂げる為に必要なものは何か、本質とは何かを考えていく為のものです。 本質的な事を考える際の枠組の始めから終わりを決める事で、何をどのような順序で行って行くことが目的のスムーズな完遂となる…

言葉を繋ぐ(8)ー7

雷水解 三爻 [陰陽陰陽陰陰] 孔子は、易を創ったものは、盗みの起因を知っていると言っています。 易には、一般人が荷物をたくさん詰め込んで、高級車に乗れば、盗みを誘っていると書かれています。 本来徒歩や公共の乗り物で移動するのが普通のレベルの人…

言葉を繋ぐ(8)ー6

水沢節 初爻 [陽陽陰陰陽陰] 戸庭から外にでなくても咎無し。 孔子は「乱が生じるには言葉の使い方と物事の順序に問題がある」と解釈しています。 言葉の定義を明確にしなければ下のものはついてこない。下のものが言葉を明確にしなければ自分の身体、職を…