衆妙の門

できるだけ、日常に沿った具体的な易などの運用を記していこうと思っています。

六十四卦

言葉を繋ぐ(24)-4

【直訳】 天地位を設け、聖人能を成す。人謀(はか)り鬼謀って、百姓も能(のう)に与(あず)かる。 八卦象をもって告げ、爻彖は情をもって言う。剛柔雑居して吉凶見るべし。 変動は利をもって言い、吉凶は情をもって遷る。 この故に愛悪(あいお)相い攻めて吉凶…

言葉を繋ぐ(24)-3

【直訳】 この故に変化云為あり、吉事には祥あり。事に象(かたど)って器を知り、事を占って来(らい)を知る。 【原文】 是故變化云爲。吉事有祥。象事知器。占事知來。 【私的解釈】 このようなわけで、変化が起こった後に言動や行動があり、吉事には兆しがあ…

言葉を繋ぐ(22)

【直訳】 易の書たるや、広大にして悉(ことごと)く備わる。天道あり、人道あり、地道あり。三才を兼ねてこれを両(ふた)つにす。故に六なり。六とは它(た)にあらず。三才の道なり。道に変動あり、故に爻と曰う。爻に等あり、故に物と曰う。物相い雑(まじ)る、…

言葉を繋ぐ(21)-3

【直訳】 噫(ああ)また存亡吉凶を要するは、居ながらにして知るべし。知者その彖辞を観れば、思い半(なか)ばに過ぎん。 【原文】 噫亦要存亡吉凶。則居可知矣。知者觀其彖辭。則思過半矣。 【私的解釈】 生死や良し悪しを求めてしまうのは、簡単に、しかも直…

言葉を繋ぐ(21)-2

【直訳】 その初(しょ)は知り難く、その上(じょう)は知り易し。本末なればなり。初は辞もてこれに擬(なぞら)え、卒(おわ)りはこれを成して終る。もしそれ物を雑(まじ)え徳を撰(えら)び、是と非とを弁ぜんとすれば、その中爻にあらざれば備わらず。 【原文】 …

言葉を繋ぐ(21)-1

【直訳】 易これ書たるや、始めを原(たず)ね終りを要(もと)め、もって質となすなり。六爻相い雑(まじ)るは、ただその時の物なり。 【原文】 易之爲書也。原始要終。以爲質也。六爻相雜。唯其時物也。 【私的解釈】 易の書は、『始め、出発点、大元、原因』が…

言葉を繋ぐ(20)-3

【直訳】 初(はじ)めその辞に率(したが)って、その方(みち)を揆(はか)れば、既にして典常あり。苟(いやしく)もそれ人にあらざれば、道、虚しく行なわれず。 【原文】 初率其辭。而揆其方。既有典常。苟非其人。道不虚行。 【私的解釈】 初めは易の卦辞、爻辞…

言葉を繋ぐ(20)-2

【直訳】 その出入度をもってし、外内懼れを知らしむ。また憂患と故(こと)とを明かにす。師保あることなけれども、父母に臨まるるがごとし。 【原文】 其出入以度。外内使知懼。又明於憂患與故。无有師保。如臨父母。 【私的解釈】 出入進退には節度を持つこ…

言葉を繋ぐ(20)-1

【直訳】 易の書たるや遠くすべからず。道たるやしばしば遷る。変動して居(とどま)らず、六虚(りくきょ)に周流(しゅうりゅう)す。上下すること常なく、剛柔相い易(かわ)る。典要となすべからず、ただ変の適(ゆ)く所のままなり。 【原文】 易之爲書也不可遠。…

言葉を繋ぐ(19)-3

【直訳】 履はもって行ないを和す。謙はもって礼を制す。復はもってみずから知る。恒はもって徳を一にす。損はもって害に遠ざかる。益はもって利を興す。困はもって怨(うら)みを寡(すくな)くす。井はもって義を弁ず。巽はもって権を行なう。 【原文】 履以和…

言葉を繋ぐ(19)-2

【直訳】 履は和して至る。謙は尊にして光る。復は小にして物に弁つ。恒は雑にして厭(いと)わず。損は先に難(かた)くして後には易し。益は長裕(ちょうゆう)して設けず。困は窮して通ず。井はその所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠(かく)る。 【原文】 履和…

言葉を繋ぐ(19)-1

【直訳】 易の興(おこ)るや、それ中古においてするか。易を作る者は、それ憂患あるか。 この故に、履(り)は徳の基(もと)なり。謙は徳の柄(え)なり。復は徳の本(ほん)なり。恒は徳の固(こ)なり。損は徳の修(しゅう)なり。益は徳の裕(ゆう)なり。困は徳の弁(べ…

言葉を繋ぐ(18)-2

【直訳】 それ易は、往(おう)を彰(あき)らかにして来(らい)を察し、微(び)を顕(けん)にして幽(ゆう)を闡(ひら)き、開きて名に当て、物を弁(わきま)え言を正しくし、辞を断ずれば備わる。その名を称するや小にして、その類を取るや大なり。その旨遠く、その辞…

言葉を繋ぐ(18)-1

【直訳】 子曰く、乾坤それ易の門か。乾は陽物(ようぶつ)なり。坤は陰物なり。陰陽徳を合わせて剛柔体(たい)あり、もって天地の撰(こと)を体し、もって神明の徳に通ず。その名を称すること雑(ざつ)なれども越えず。於(ああ)その類を稽(かんが)うるに、それ衰…

言葉を繋ぐ(17)-12

【直訳】 天地絪緼(いんうん)して、万物化醇(かじゅん)し、男女精(せい)を構(あわ)せて、万物化生す。 易に曰く、三人行けば一人を損す、一人行けばその友を得と。一を致すべきを言えるなり。 【原文】天地絪緼、萬物化醇。男女構精。萬物化生。 易曰。三…

言葉を繋ぐ(17)-11

【直訳】 子曰く、顔氏(がんし)の子(こ)は、それ殆(ほと)んど庶幾(ちか)からんか。不善あればいまだ嘗(か)つて知らずんばあらず。これを知ればいまだ嘗つて復(ま)た行なわざるなり。易に曰く、遠からずして復(かえ)る、悔に祇(いた)ることなし、元吉、と。 …

言葉を繋ぐ(17)-10

【直訳】 子曰く、幾(き)を知るそれ神か。君子上交して諂(へつら)わず、下交してけがれず、それ幾を知れるか。幾は動の微(び)にして、吉(凶)のまず見(あら)わるるものなり。君子は幾を見て作(た)ち、日を終うるを俟(ま)たず。易に曰く、介(かた)きこと石のご…

言葉を繋ぐ(17)-9

【直訳】 子曰く、徳薄くして位尊(たっと)く、知小にして謀(はかりごと)大に、力小にして任重ければ、及ばざること鮮(すくな)し。 易に曰く、鼎(かなえ)、足を折り、公の餗(そく)を覆(くつが)えす、その形渥(あく)たり、凶なり、と。その任に勝(た)えざる…

言葉を繋ぐ(17)-8

【直訳】 子曰く、危うきものは、その位に安んずる者なり。亡ぶるものは、その存を保つ者なり。乱るるものは、その治を有(たも)つ者なり。この故に君子は安くして危うきを忘れず、存して亡ぶるを忘れず、治まりて乱るるを忘れず。ここをもって身安くして国家…

言葉を繋ぐ(17)-7

【直訳】 善積(ぜんつ)まざれば、もって名を成すに足らず。悪(あく)積まざればもって身を滅ぼすに足らず。小人は小善をもって益なしと為して為さざるなり。小悪をもって傷(そこな)うなしと為して去らざるなり。故に悪積みて掩(おお)うべからず、罪大にして解…

言葉を繋ぐ(17)-6

【直訳】 子曰く、小人(しょうじん)は不仁(ふじん)を恥(は)じず、不義を畏(おそ)れず、利を見ざれば勧(すす)まず、威(おど)さざれば懲(こ)りず。小しく懲らして大いに誡(いまし)むるは、これ小人の福(さいわい)なり。 易に曰く、校(かせ)を履(は)いて趾(あし…

言葉を繋ぐ(17)-5

【直訳】 易に曰く、公もって隼(はやぶさ)を高墉(こうよう)の上に射る、これを獲て利ろしからざるなし、と。子曰く、隼とは禽(えもの)なり。弓矢とは器なり。これを射るは人なり。君子は器を身に蔵(かく)し、時を待ちて動く。何の不利かこれあらん。動きて…

言葉を繋ぐ(17)-4

【直訳】 易に曰く、石に困(くる)しみ、蒺蔾(しつり)に拠(よ)る。その宮に入りて、その妻を見ず、凶なり、と。 子曰く、困しむべき所にあらずして困しめば、名必ず辱(はずか)しめらる。拠るべき所にあらずして拠れば、身必ず危し。既に辱しめられ且つ危うけ…

言葉を繋ぐ(17)-1

【直訳】 易に曰く、憧憧(しょうしょう)として往来すれば、朋(とも)爾(なんじ)の思いに従う、と。子曰く、天下何をか思い何をか慮(おもんぱか)らん。天下帰(き)を同じくして塗(みち)を殊にし、致を一にして慮(りょ)を百にす。天下何をか思い何をか慮らん。 …

言葉を繋ぐ(16)

【直訳】 陽卦は陰多く、陰卦は陽多し。その故何ぞや。陽卦は奇にして、陰卦は偶(ぐう)なればなり。その徳行は何ぞや。陽は一君にして二民、君子の道なり。陰は二君にして一民、小人の道なり。 【原文】 陽卦多陰。陰卦多陽。其故何也。陽卦奇。陰卦偶。其德…

言葉を繋ぐ(14)-12

【直訳】 古(いにしえ)の葬る者は、厚くこれに衣(き)するに薪(しん)をもってし、これを中野に葬り、封(ほう)せず樹(じゅ)せず、喪期(そうき)数なし。後世の聖人これに易うるに棺椁(かんかく)をもってするは、蓋しこれを大過に取る。 【原文】 古之葬者、厚衣…

言葉を繋ぐ(14)-10

【直訳】 木に弦(つる)して弧(ゆみ)と為し、木をけずりて矢と為し、弧矢(こし)の利、もって天下を威(おど)すは、蓋しこれをけいに取る。 【原文】 弦木為弧、剡木為矢、弧矢之利、以威天下、蓋取諸睽。 【私的翻訳】 木にツルを張って弓を作り、木を削って矢…

言葉を繋ぐ(14)-9

【直訳】 木を断(き)りて杵(きね)と為し、地を掘りて臼(うす)と為し、臼杵(きゅうしょ)の利、万民もって済(すく)うは、蓋しこれを小過に取る。 【原文】 斷木為杵、掘地為臼、臼杵之利、萬民以濟、蓋取諸小過。 【私的翻訳】 木を切って杵を作、地面を掘って…

言葉を繋ぐ(14)-8

【直訳】 重門撃柝(ちょうもんげきたく)、もって暴客を待つは、蓋しこれを予(よ)に取る。 【原文】 重門撃柝。以待暴客。蓋取諸豫。 【意訳】 門を重ねて拍子木を打つ、このようにしっかりと準備をして暴客をまち受ける事を雷地豫として集約する。 【解釈】 …

言葉を繋ぐ(14)-7

【直訳】 牛を服(ふく)し馬に乗り、重きを引き遠きを致して、もって天下を利するは、蓋しこれを随に取る。 【原文】 服牛乘馬、引重致遠、以利天下、蓋取諸隨。 【私的翻訳】 牛に車を付けて、馬に乗り、重いものを引いて、遠くまでいたれるようにして天下の…